2019.07.19
プレスリリース
サンウェル(大阪市中央区)の今泉治朗社長によると、今期(2020年1月期)はここまで、前年同期に比べて減収基調で推移している。巻き返しに向け、ユニフォームなどの新規販路開拓や海外事業の拡大を推進する。
2~6月の商況は「芳しくなかった」。綿素材を主体に備蓄生地を期近、期中に供給する現物型生地商社である同社では通常、4~6月が出荷数量の多い時期の一つだったが、今期は19盛夏向け、秋冬向けともに受注が伸び悩んだ。小口系の受注が特に苦戦したと言う。一方、展示会で力を入れて訴求した麻調合繊や帝人フロンティアのポリトリメチレン・テレフタレート(PTT)繊維「ソロテックス」使いの生地などは順調な売れ行きを見せる。
今後の巻き返し策として推進するのがユニフォーム分野の開拓。「(新規参入の)壁の高い業界」と位置付けるが、多様な生地を備蓄し少量から即納するという同社の機能は、小口生地を必要とする同分野の小規模企業から需要があるとみて近年開拓に力を入れている。基本的にはこれまでファッション分野や生活資材分野に販売していた生地をそのままユニフォーム分野にも流用するが、一部でユニフォームを意識した新規開発生地も投入。徐々に分野開拓が進んでいる。
販路だけでなく仕入れ先の拡大にも取り組んでおり、播州産地のジャガード織物や岡山・倉敷の帆布など幾つかの新たな取り組みが生まれている。販路は主に雑貨・資材。新商材によって新たな需要を掘り起こし、ブランド展開も視野に入れる。
海外事業拡大も重要なテーマと位置付ける。昨年末に法人を立ち上げたベトナムでは、13年に立ち上げたタイ法人と「すみ分けを図りながら」主に現地生地供給の拡大を狙う。現地に法人を構える大手総合商社とも連携しながら、当面は綿を主体に同国で事業基盤を作っていく。
中国、タイ、ベトナムの各法人による現地販売だけでなく、日本からの純輸出や各拠点から第三国への外・外ビジネス拡大にも臨む。「グローバルコンバーティングが求められている」とし、中国、東南アジアの各法人を活用した海外仕入れにも力を入れる。
(繊維ニュース 令和元年7月19日)