Over the next half-century

テキスタイル製造卸 トップに聞く

2023.03.15

プレスリリース

組み合わせで可能性は無限大

最適なソリューションを提供


~22年度は増収増益~

――23年1月期は。

 テキスタイル、製品事業ともに伸び、増収増益。売上高は16%増となりました。テキスタイルは国内を中心に回復しており、海外もプラスにはなりましたが、輸出はやや苦戦。中国比率が高く、上海でのロックダウン(都市封鎖)の影響を受けました。一方で、カジュアルを中心に海外生産の海外渡しという外・外のビジネスが増えました。中でもタイ生産が健闘。東南アジアに縫製拠点を移している顧客が増えていることもあり、中国と東南アジアを両にらみで事業を行っていきます。
 コロナ禍を経て、昨年は直接顧客に会いに行く機会を増やすなど、積極的に営業に打って出ようとしました。そうした姿勢が実を結んだと思います。

――コロナ禍で変化は。

 時代や社会の仕組みが変わったので、売り方、素材もそれに合わせて変えていかなければなりません。顧客の形態も変わってきていますし、変化への対応が、サステイナブル(持続可能な)やSDGs(持続可能な開発目標)、デジタル対応ということになります。
 この間、サステイナブル関連の生地を立ち上げており、オーガニックコットン使いの「CO.Organics」(コードットオーガニックス)といった生地ブランドは好調で、もはや常識になっています。私たちは製造会社ではないので、「素材がエコです」だけではうたい文句にはならない。それ以外の部分でどんな貢献できるのかということを模索しており、障害者の自立支援「パラリンアート」企画や、綿産地での危険な児童労働から子どもを守り、就学を目的とした「ピースインドプロジェクト」などの取り組みを進めています。デジタル化も進展しました。3Dデザインなどのデジタルプラットフォーム「スワッチブック」に参加、テキスタイルのデジタル化は引き続き力を入れ、品番も増やしていく方針です。

~定番を持つ強み生かし~

――コストアップの影響は。

 前期は若干粗利率が落ちましたが、値段がこなれて、品質も安定しているという定番を多く持つ強みを生かします。そこに加工などの味付けを変えて、付加価値を出していく必要があるでしょう。

――今後の重点は。

 資材やユニフォームといった分野の開拓や、欧米市場の開拓も重点テーマの一つです。日本型のストックビジネスに興味を持つ企業も増えています。ミラノウニカにはもう何年も前から出ており、販路ができてきました。2月にはプルミエール・ヴィジョンパリにも初参加。新たな出会いができたと聞いており、期待しています。
 糸や織、加工など生地を作る組み合わせは無限大であり、その中から新しさを出していけるはずです。国内外のどこで作るのか。各国や地域の強みを生かし、要求されるものに応じた物作りをし、売り方なども含め、組み合わせのアイデアを出していければと思います。

(2023年3月15日 繊研新聞)

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