Over the next half-century

特集 全国テキスタイル産地Ⅱ 生地商社編

2023.07.28

プレスリリース

付加価値提案が不可欠 ~一緒に作り売っていく~

社長 今泉 治朗 氏

 ――商況はいかがですか。

 売り上げは、生地販売、製品販売、製品OEMのいずれも基本的には上向いてきていますが、値上げ効果によるものでもあり、輸出もそれほど大きく伸ばせてはいません。
 生地値を引き上げたのは、染色加工料などモノ作りのコストが幾度も価格改定されているためです。薬剤や電気代などが軒並み高騰しているのだから、工場側の改定提案に理解を示さないわけにはいきません。
 ただ、コストが上がったからと言って、ただ単に加工料を上げるという姿勢には少し疑問を感じています。

 ――なぜでしょうか。

 価格が上がれば当然、売りにくくなります。売るためには付加価値化が必要。産地企業や染色加工場には、値上げ交渉と同時に、もっと付加価値提案もしてきてほしい。
 付加価値には、納期、品質、ロット対応、独自技術などさまざまなものがありますよね。それをしっかり言葉にしてわれわれに伝えてほしい。そうすれば当社がストーリー性を付与したり、付加価値化の文言を考えたりして、アパレルに売りやすくなる。こうした「一緒に作り、一緒に売っていく」というスタンスが大切なのではないでしょうか。

 ――付加価値提案の他に、日本のモノ作りに対して要望は。

 設備投資が停滞していることに危機感を持っています。海外の繊維工場では、人工知能(AI)絡みの設備投資が進み、省人化も実現しています。日本のメーカーは自信を失っているのかもしれませんね。当社としては、しっかり発注責任を果たしながら、ファッションや切り売りなど既存の販路以外の新規用途を開発するなど、産地企業や染色加工場と一緒になって進めていきたいと考えています。
 
(2023年7月28日 繊維ニュース)

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