2024.10.08
プレスリリース
~共存共栄で業界発展~
生地商社のサンウェル(大阪市中央区)は今後、より一層独自企画の生地開発に精力を傾ける。営業力の発揮については対面を重んじる。
同社は以前、定番の綿無地を得意とし、備蓄(ストック)機能でそれを国内各分野に販売してきた。20年ほど前から独自の企画開発力を磨くことを重視し、柄物、化合繊、各種加工物など付加価値系生地を増やしていった。今では企画専任スタッフを約10人配置するなど「企画力の引き上げに力を入れてきたし、一定の成果は出せていると自負」(今泉治朗社長)する。同業他社からも同様の評価が聞かれる。
企画開発力引き上げの流れの中で重視してきたのが独自性。トレンドを取り入れつつサンウェルならではの生地を主体的に開発し、顧客ニーズに応えてきた。それが自社事業の発展だけでなく、同業他社との過度な価格競争を避け、業界の発展に資すると考えるためだ。
今後もこの機能を磨く。「同質化、ものまねを避け、各社が強みを発揮することが共存共栄につながる」とする。気候変動やメンズ向けの開発をキーワードに据える。
顧客提案の面では、「デジタル技術も活用していくが、あくまでもツール」であるとし、国内でも海外でも対面営業を重視する。その人材育成に向け、若手社員の出張や商談の機会を増やす。
~上半期は微減収微減益~
サンウェルの2025年1月期上半期単体業績は、前年同期比微減収微減益だった。
原材料費や物流費といったコスト高を受けて価格改定を進めているものの、アパレル不況の中で出荷数量が減った。輸出は、「プルミエール・ヴィジョン・パリ」への出展などが奏功して欧州向けや韓国向けが伸びたが、中国向けなどが減り、全体で昨対減となった。中国製生地の内販は増えていると言う。
下半期のスタートも静かな商況となっているが、主力の春夏向けが始まり、展示会の開催や出展も増える10月以降で巻き返したい意向。
(2024年10月8日 繊維ニュース)