Over the next half-century

サンウェルの中国法人 深セン新拠点で華南強化

2025.01.10

プレスリリース

「卸しブランド」に商機

 【上海支局】サンウェルの中国法人、燦日泉〈上海〉貿易が華南市場の深耕に力を入れている。その一環で、昨年12月に広東省深センに営業拠点を設けた。セレクトショップやインフルエンサー向けを手掛ける「卸しブランド」の開拓を狙っている。

 同社は元々、深セン中心部の福田区に営業拠点を構えていたが、新型コロナウイルス禍が広がった2020年5月に閉鎖した。今回の新オフィスは、中心部からやや西寄りの南山区にあるアパレル卸売市場「南油(ナンヨウ)服装市場」に隣接するビルに設けた。

 同市場は30年以上にわたり、深センのレディースブランドの産業発展を支えている。中高級ゾーンのレディースを取り扱うテナントが多い。中には、イタリア製や日本製のバイオーダー生地を使う高級レディース「フレーム・ファン」のようなブランドも出店している。

 ここではコロナ禍後、「セレクトショップやネット通販向けに卸売りするブランドが増えている」と、安富哲総経理は説明する。こうした「卸売りブランド」の一部は、動画を配信しながら商品を売るライブコマースを展開するインフルエンサー向けなどを手掛けており、「“超”短納期・小ロットの生地を求めている」(安富総経理)。こうした顧客の開拓を図るため、同地を新拠点に選んだ。

24年は減収、微増益

 燦日泉〈上海〉貿易の24年業績は、前年に比べ減収、微増益だった。ネット通販ブランド向けなどが落ち込んだことが響いた。

 24年は、上半期が苦戦したものの、下半期から巻き返している。ネット通販ブランド向けが芳しくなかった一方、百貨店ブランド向けは相対的に健闘した。「市場全体は悪いが、まだ取り組めていない顧客が当社にはたくさんある」と安富総経理は話す。

 ここ数年、注力している営業スタッフの増強などの成果が芽生えつつあり、「今期が楽しみだ」と言う。

(2025年1月10日 繊維ニュース)

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