Over the next half-century

長く暑い夏に応じる機能提案

2025.07.08

プレスリリース

高通気など多様な角度で

 生地商社のサンウェル(大阪市中央区)は、“長くて暑い夏”に求められる機能を付与した生地の提案を強化している。26春夏の婦人服市場向けでは、ニーズが増えている通気性に焦点を当てた生地をそろえるほか、自社の強みも訴求する。顧客や市場の声に応え、販売拡大につなげる。

 婦人ファッション分野でも機能性に対するニーズが高まっている。「これまでは接触冷感やUVカットが中心だったが、通気性を求める声も多くなっている」(安永徹三取締役執行役員)とし、気候変動や顧客・市場のニーズに対してさまざまな角度からアプローチを仕掛ける。

 太番手のシックアンドシンをパナマ組織で織り上げた中肉厚生地は、ドライタッチとハリ・コシ感、ナチュラル感のほか、通気性やストレッチ性、イージーケア性などを併せ持っている。メッシュ生地や絡み織をはじめとする軽やかなシアー素材なども投入する。

 26春夏のキーワードの一つである麻関連にも目を向ける。強撚ナイロンにヘンプと綿を組み合わせた生地は、さらっと感や接触冷感性といった特徴を持つ。レディースのほか、メンズのセットアップ用途にも投入する。合繊・麻のシアー生地などもそろえる。

 これらはこのほど東京都内で開催した26春夏向け商談会で展示した。商談会では、架空のファッションブランド「Elysian」(エリシオン)を作り、製品を起点に生地を打ち出した。また、強みであるタイの生地を使ったASEAN地域でのモノ作りなども紹介した。

AI活用しモノ作りの新たな価値

 サンウェルは、OEM・ODM事業などを行うレオン・インターナショナル(東京都渋谷区)と連携し、モノ作りの新たな価値を顧客に提供する。3Dと人工知能(AI)技術を活用して企画・開発・販促を仕組み化し、コストや時間、人材をはじめとするアパレル生産における課題に応える。

 レオン・インターナショナルが構築したアパレル開発支援サービス「VMD」(ビジュアライズド・デザイン・マニュファクチャリング)を活用する。企画構成やアイデア、課題を3DとAIで可視化し、施策コストの削減や開発スピードの向上につなげるほか、販促やマーケティング連携まで一貫して支援する。

 このシステムに、サンウェルのデジタルファブリックを融合する。ベースの生地はこのデジタルファブリックを用い、サンプル前に3Dで検証が可能になるほか、実物がなくても色展開・着用画像が作成できる。作成した3Dデータを半永久的に保存し、いつでも再利用できると言う。

(2025年7月8日 繊維ニュース)

お知らせの一覧に戻る