
2026.04.17
プレスリリース
ジャパニーズレガシー訴求
サンウェル社長 今泉治朗氏
大人向けを強化
――26年1月期は。
振り返ってみると厳しい1年で、減収減益となりました。国内のテキスタイル販売は決して落ち込んでいるわけではありませんが、横ばいで推移。アパレルの直貿化の流れが進み、大手向けの取引が苦戦しました。上海の現地法人を活用した提案も進めましたが、難しかった。輸出では韓国がスポーツ向けで堅調でした。全体として見ると、物が売れにくくなっている、やすやすと販売にはつながらない環境になっているなと感じますね。
事業面では、アパレル事業でスクラップ・アンド・ビルドを進めました。子供向けを扱う子会社フィスはビンテージテイストの「ゴートゥハリウッド」やアメリカンカジュアルの「デニムダンガリー」で大人向けの提案を増やしています。国内は出生数の減少が続き、25年には70万人程度。今後は子供向けの市場のさらなる縮小が見込まれます。とはいえ、アパレル事業から一部人員を移し力を入れます。
産地ならではの技術
――今期の方針は。
「ジャパニーズレガシー」を掲げ、日本の各産地と連携した高付加価値素材の提案に力を入れます。複数の国内産地の技術を組み合わせた素材シリーズ「漣」がその一例です。ウールの尾州産地で染色加工したテキスタイルなどを揃え、展示会や商談会でも評価を得ています。量が出るものではありませんが、日本で作った付加価値のあるものを提供しワンランク、ツーランク上のゾーンを狙っていきたいと思います。
糸や生機、染め加工など様々な技術があります。各産地を組み合わせ、一緒になって第2、第3の漣シリーズを開発していきます。
一方で、産地は厳しい状況にあります。人手不足などで廃業や倒産が続いています。日本の産地は本当に良い技術を持っているのですが、1カ所だけで物作りをすることが難しくなっています。そこで、各産地をつなぎ、課題を解消することこそコンバーターの役目。産地に丸投げするのではなく、利益が出る出ないにかかわらず、今までやっていなかったような取り組みで産地を支えていきたいですね。困難なことですが、それを乗り越えてこそ成長できるはずですから。
ファッション業界は全体的にあまり調子が良くありません。その中で、顧客が求める物を作り継続していくことが我々の仕事です。自社オリジナル素材のウール調合繊「ラナテック」も定番商材となり、リニューアルした自社のテキスタイル販売ECサイト「サンウェルネット」も好評で新規契約もできています。小さなことでもおろそかにせず拾い上げ、それを元にあらゆるシーンでテキスタイルや製品の提案をする全方位のビジネスを進めていきます。
(繊維新聞2026年4月17日)